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県営水道一体化について


 市町村が行っている水道事業を、県で一体化する計画が進んでいます。すでに2017年に県営水道一体化方針が作られ、19年に一体化推進協議会の設立、2020年は各自治体と県で覚書の締結、来年は年経営母体設立基本協定の締結そして、2025年を目標に経営統合を行い、その後10年以内に事業統合(水道料金の統一、資産の一体化等)を行うとしています。

 この背景には、政府が反対を押し切って2018年の水道法改正を行い、民営化に道を開いたことがあります。水道法の目的が「水道を計画的に整備し、水道事業を保護育成する」から「水道の基盤を強化する」に変更されて、経営の改善が主目的になったのです。
 しかし、水道の民営化は命の水がお金儲けの対象にされ、水道料金が高額となります。早くに民営化をすすめたヨーロッパなどの諸外国では、もとの公営に戻しています。

 県内市町村の水道の課題は、人口減少、水需要の減少、施設の老朽化、専門職員不足などが、共通していて、県水100%が増えそれに伴い施設の廃止、業務の民間委託が増えています。
 広陵町も以前は地下水などの自己水がありましたが、施設が老朽化し県水100%購入に切り替わりました。
 県は28市町村に県水を供給していますが水道料金は現在2倍以上の開きがあります。
 一体化では現在17ある浄水場を8か所にして、水源は布目ダム、室生ダム、大滝ダムに依存し、浄水場を奈良市緑ヶ丘浄水場、県御所浄水場、県桜井浄水場の3ヵ所に集約する計画です。

 基本協定締結に当たり、自治体が独自の水源を持ち、県水の利用が少ない自治体(奈良市、大和郡山市、葛城市、大淀町)では、水道料金が上がるという意見が上がっています。大切な水源をなくしてしまったら、地震などの災害時にたちまち供給できず、困ると住民から不安の声があがっています。
 水は生きていくのに欠かせない貴重な資源で、エネルギーのような代替えができません。
 21世紀は地球的規模で水不足が深刻になります。水の惑星の地球でも流水はわずか2.5%。しかも地表水は0.3%に過ぎません。 県水の供給する大滝ダムは、過大に水需要を見込んで建設され、当初予算の10倍となる多額の費用がかかりました。遠方から水を運ぶためその長い配管などに費用が掛かり高い水道料金になっています。更にダムはコンクリートの構造物であり大滝ダムは完成までにたびたび地滑り対策で工事が中断されてきました。現在も高の原トンネル(川上村)の滑り止め工事が行われています。
 桜井浄水場は断層帯の上にあり、大災害の時にダム依存は心配です。今ある自己水を大切にすることが大事です。
 県の一体化は各自治体ごとのシュミレーションを公開せず、自らのところしかわからないという非民主的なやり方です。
 十分な情報公開と議論の上に、何よりも各自治体の住民の合意で民主的に行うことが大事です。
 そのうえで合意できる市町村は一体化することも選択するなどして、28市町村すべての一体化ではなく、貴重な水源を残す対策のほうが将来的にも安心です。
 




どうゆう事か? 今井光子議員に聞く

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